記憶の中に・・・。

人にとって 思い出というのは とても大切なものです。それが 楽しかったものばかりなはずも無く、むしろ 反省し 後悔し続けることになってしまった出来事さえも 大切だと思えるのです。しかし、ここでいう思い出とは 家族や友達や同僚などと体験した出来事をさすのではなく、あらゆる出来事の中で 自分の心に感じた 楽しかったことや嬉しかったこと、悲しく切なかったこと、悔やんだこと・・・人に話せないような、しみついて 離れない思いのことを指しています。写真には残せない思い出のことです。誰にもきっと 大いにあるはずです。過去のことを思うのは無駄なことかもしれません。それが失敗であれば 今更どうしようもありません。でも、いいことも そうではないことも踏まえて 今があり、この先を描けるのだとしたら どんな思い出も 私にとって大切なものなのです。

そんな私は 古い物や懐かしいものを扱う雑貨店を営み、自宅でもたくさんのお気に入りに囲まれる暮らしを続けています。でも、これは かみさんとの共同作業なので 自分勝手なことばかりはできません。常々、古いものの持つ魅力は 一人一人の方の心の機微に触れるものであるからだと思っています。人に影響を受けて好きになるものでもないし、流行に左右されるものでもありません。自分の思い出の中にあるものが 古いものに触れたとき、心を少しだけ揺らしてくれる感覚・・・それを大切にしたいと思っているのです。

だから、あくまでも自分の部屋は 好き勝手させてもらっています。思い出にかかわるものがたくさん揃いつつあります。おもちゃも本もレコードも 思い出を大切にするために必要なものなのです。記憶の中にある 自分だけが感じたあの思い・・・そういう大事な思い出とこの先も 一緒に生きていくのです。 

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似合うようになってきた。

とても古い木彫りのコートハンガーをご紹介します。

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写真は難しい。とても分かりにくいのですが コートが4着かかるフックが付いています。なので 実物は結構な長さがあります。森で見かけた一瞬の景色を木彫りで表現しています。リスがどんぐりの実を取りに来たところでしょうか・・・その様子がしっかり描かれています。フックも枝みたいに彫られていますから ごく自然な感じです。

民芸的な・・・といえば お土産のような感じもするけれど、昔の家ならどんより暗くなりそうな気配だけど 今の自然さを取り入れた新しい家には ぬくもりが感じられてとても似合うような・・・ある意味、壁に飾るオブジェになると思えます。今の住宅のデザインの自由さは 昔とは大違いで、古いこういう民芸が 田舎臭く感じずに、作者本人の自然を取り入れる暮らしの提案という本来の意図を 素直にくみ取れるようになってきていると感じます。住宅が似合うように変わってきたということなのでしょう。

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テーブル。

テーブルって 食事をとる場所ですから どんな暮らしにも必要な家具です。でも、暮らしが変われば その暮らしに合わせて 変わっていく家具でもあります。一人暮らしには 大きなテーブルは使いにくく、家族が増えれば 人数に合わせたテーブルに替えなければなりません。一つの暮らしに テーブルは何台も必要ではありませんし、家族ができれば 余計な置き場所などないがゆえに 買い替えなければならないと考えてしまうわけです。

一人暮らしから初めて 結婚し、家族が増え、子が自立し・・・と暮らしを思い描いて 使い続けられるテーブルを初めから用意することには無理があります。だから その時の暮らしに合わせてテーブルも変えていく必要がでてきます。それは 誰もがしょうがないことと思うことでしょう。しかしながら、ある意味もったいないともいえると思います。その都度、買い替えるわけですから。最初から買い替えることを前提に選ぶことにも やっぱり もったいなさを感じてしまいます。

でも、仮に 思い入れのあるものを大切にし続けることができれば それは将来、きっと役に立つべき家具になるに違いないと思います。一人暮らしには 狭いであろう部屋を有効に使えるテーブルを選ぶところから初めます。でもそれは 将来違う使い道が想像できているということが大事です。

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お洒落な二人なら こんな華やかでも素敵です。でも、こういうテーブルは あくまでも子供向きではありません。お洒落な大人でないといけません。好きな音楽に耳を傾けて、お酒でも飲みながら語り合う二人の姿が 思い浮かびます。子供ができて 一時は仕舞いこんでも、趣味の部屋が持てた暁には お茶を飲みながら 好きなことに没頭できる場所として必要になるはずです。

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テーブルは 大切な時間を過ごす大切な場所です。暮らしに合わせて買い替えるものではなく、いつかの自分のために 思い出も積み重なることを想像しながら 初めから選ぶことが 大事なものだと思うのです。

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尊敬。

お店で扱う商品のほとんどは 1970年代~80年代にかけてのもので 日本国内で作られ、国内で消費され 当時の好景気を支えたものです。だから、誰もが 持っていたり、見たことのあるものばかりだったりします。しかし、今現在も 使い続けていたり、好きで集めていて ずっと持ち続けていることは ほとんどないでしょう。古いものというだけで 処分されることが当たり前と思われているものだからです。

経済成長を遂げていた時代、日本は 外国から輸入されるものや その製造元である国の人々の暮らしぶりを手本とし、日本人の暮らしに合うように商品の開発をしていました。輸入されたものを そのまま真似て作るのではなく 先駆者を尊敬し、尊重したうえで 日本らしいものづくりをしていたのです。輸入品と見比べて なんとなく似ているが それは似て非なるものと感じることができるのは やはり、日本独特の感性によるデザインの秀逸さにあると思うのです。

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先に書いたように 日本のメーカーは 輸入品をそのまま真似ることはありませんでした。有名デザイナーに外注する場合もあったかもしれませんが そのほとんどは メーカーに所属している 名もないデザイナーたちが生み出したものであったはずです。しかも、一人ではなく 複数人がデザインを考え、新商品に反映されたのではないかと思います。それぞれの得意分野をデザインで表現し、その時流に合うものを製品化してきた結果、一つの分野に偏ることなく 様々なものが生まれたのです。

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今、そういう苦労を経て作られたものを ちゃんと見てあげることが 私の楽しみになっています。当時の 名もなきデザイナーたちが 外国製品をオマージュし、ものづくりの点で まったく変わってしまったこの時代に たくさんの素敵なものを残してくれている。その思いを尊敬の念を持ちながら 受け取れる人でありたいと思っているのです。

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ささやかな喜び。

お盆が終わり、子供たちの夏休みも終わり また日常が始まります。うちも イベントが終わったので 通常営業に戻ります。

いつもの日々というのは 一日一日が何事もなく、つつがなく平穏でありたいと思うけれど ただ流れていく様を見送るだけでは 少し、寂しい気がします。そんな時は 雑貨でも眺めて、少しだけ日常を離れる時間を持ちたいと 私は思う。頭の中でイメージし、暮らしを描いていくことは 誰に頼めることでもありません。自分の中にあるものを見つめて 自らが描いていくものです。そんな時間は 日々の日常から離れることができます。イメージできることは とても楽しく、自分だけが味わえるものとなるでしょう。

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残暑厳しい折、忙しいさなかとは思いますが そんなささやかな喜びを感じに、まずは どうぞ遊びにいらしてください。パスティーユらしい雑貨をそろえて 心よりお待ちしております。

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ゆったりとゆっくりと。

夏休みが終わり、お盆も過ぎ 少しさびしさを感じるこの頃です。この後は 急に秋が来ることなく ゆっくりと夏の終わりを感じながら過ごしていきたいものです。

夏のイベント 「夏のマルシェ」も今週末の日曜日で終了いたします。少しずつ店内も変わっていき、少しすっきりとして 一つ一つの雑貨の良さが感じられて 今の店内はいい雰囲気です。いつものように 込み合うこともなく 来てくださるお客様には ゆったりとした時間の中でお買い物いただいています。今の暮らしをゆっくり顧みて この先の暮らしを豊かにしてくれそうな そんな雑貨達との出会いを 少しお得にお楽しみください。心よりお待ちしております。

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模様替えのすすめ。

昨日、久々に大掛かりな模様替えをしました。一つ家具が売れると 表現したいイメージが変わってしまうので 店内 家具の大移動をやらねば気が済まないのです。空いた場所に 違うものをポンと置けば それで済むことではないのです。それまで、お部屋にこんな景色ができれば 素敵じゃないですか?と自信をもってご提案していたものが 違うものを置いていいわけがありません。古い家具は 同じものが二つとありませんし、今まで置いてあった家具でも 場所を変え、コンセプトを変えることで 違う表情を見せてくれて、お部屋にも新しい景色となり 新鮮な気分で使ってあげられるようになるのです。だから、模様替えは大事。これまでも そうし続けてきたのです。

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実際の暮らしでも同じことが言えそうです。この家具の配置が一番!と思って暮らしている方はどれくらいいらっしゃることでしょう。一度置いたら 変えるのも面倒だし、そもそも 配置とか バランスとかのことは 気にしない。不自由がなければ問題なし。最初に 考えて考えて配置したから これ以上の配置は無い。と お考えの方が多いのではありませんか。

もし、せっかく探して出会えた気に入った家具であれば より良くなる場所や使い道を探すことは 自分の暮らす空間をより楽しくさせてくれるものだと私は思います。動かすことで この横にこんなのあれば・・・と新しい発想や発見が生まれることにもなるし、何よりも 生きる刺激にもなるように思うのです。動かすことのない景色の中に 気持ちの変化はなかなか起こりません。興味の対象がほかに大いにあり 常に動いている人は別ですが、いや そういう人にも 身を置く空間をちょっと変えるだけで 違う発想も生まれるのではないかと思うのです。そういう意味で 模様替えは おすすめです。

でも、模様替えは大変です。ただ 場所を変えればいいってわけはありませんので。まずは より良くしたいと願う気持ちと、イメージとその方法を知ることから始めなければなりません。あとは、気力と体力です。できた結果、いいね。と思えたら 何やら新しい自分と出会えたような気分にもなれるに違いありません。

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いくつあっても。

「夏のマルシェ」開催中です。セール価格にて販売中のものですが 改めてご紹介します。

私の目下の楽しみは 子供のころ売っていたプラモデルの復刻版を集めることです。当時の金型を利用し、新しく作られたプラモデルです。中には箱も当時のままを再現したものがあり、ゼンマイやモーターで動いたり歩いたりするものもあるので 心にグッとくるのです。子供時分には 高くて買えなったものばかりですから あの頃の思い出を取り戻してる感じ・・・といい大人が言い訳をして 買える範囲で楽しんでいるのです。本当は 当時売っていたものを欲しい気持ちもあるけれど 数百円で売っていたものが今では何十倍の値がついていたりするので とてもじゃないが買えません。それに、いずれ作ってしまおうと考えているので 復刻版のほうがいいのです。間違って 本物なんか買ってしまうと 作ったとたん価値が無くなってしまうものですから・・・。こつこつと集めだして・・・だいぶ箱も積みあがってきています。ま、その景色も お店屋さんみたいで とてもいいんです。

仮に今、そのプラモデルを作るとしたら・・・やっぱり ちゃんとケースに入れて飾る楽しみも待っています。きちんと作り、きちんと飾る。そして、明かりで照らしてあげる。子供のころ、おもちゃ屋で見た光景を再現することが 楽しみで仕方ないのです。家族のだれも興味のないことをさせてもらっていても その楽しむ姿をほのぼのとした気分で見てもらえたら、いいんじゃなかろうかと思うのです。年取って 何もすることがないよりも ず~っとまし!と勝手な理由をつけたりしています。

だから、いろんなジャンルに合わせて飾るのに ショーケースは大切です。いくつあってもいいのです。

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「夏のマルシェ」

今年は 行動制限のない久々の夏です。8月の恒例イベント「夏のマルシェ」を3年ぶりに開催することにしました。

「夏のマルシェ」というのは 日頃お世話になっているお客様へ 感謝の気持ちを込めて行っている 夏のセールです。古いもの全般をセール価格にて販売いたします。過去 3年は 店内が込み合うことを避けるため違う企画で開催していましたが 今年は遠慮なくセールをさせていただきます。毎日、暑いさなかではありますが この機会に お得に お買い物を楽しんでいただければ幸いです。

 

「夏のマルシェ」

2023 8月4日(金)~8月20日(日) 9:30~18:00 定休日はありません。

◎食器・・・30%OFF 

◎家具・照明・雑貨・・・20%OFF 

(*メーカー品、古物にも一部除外品があります。丸いシールの張ってあるものが除外品となります。プライスをご確認ください。)

店内見渡してみても ほとんどがセール対象となります。お時間の許す限り ゆっくり探索いただき、お気に入りの雑貨をお得にお買い求めください。この機会をお見逃しなく!

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こんな日常。

街へ買い物に出かけた。大好きな本屋に立ち寄り、ぐるっと一回り。気に入った一冊を見つけてとてもいい気分だ。予定はしていなかったけど いい気分がウィンドウショッピングへと足を向かわせた。どうせなら ちょっといい服を見に行こう。街に来ている意味は そこにある。季節は もう秋へと進んでいて、見慣れたセールの幕がかかる店とは一線を画している。前から いつか機会があれば・・・と狙っていた シェトランドのクルーネックのセーターが目に留まる・・・。いくら いい気分とはいえ この出会いはあまりにも衝動的だ・・・ぐっとこらえて店を出る。欲しいものが見つかると ほかの店を見て回る気持ちはなくなる。買わなかったけど あの店にあるってことが分かっただけで 御の字だ。それは いい気分を継続させる。いつか買おうと思えるからだ。探しても無いのが常だから、この情報が大事なのだ。その気分のまま 帰ることにした。

道すがら近所のスーパーで買い物も済んだので少し早めの帰宅となった。まだ日も高いが 缶ビールを開けた。買った本をぱらぱらとめくる。いい休みになったな・・・風が心地よい。

夕食は カレーだ。お気に入りの調理台で サラダを盛り、炊き立てのご飯にカレールーをかける。福神漬けがあってよかった。冷えた水を注いだグラスにスプーンをさしておくのが 気に入っている。決して いいことばかりじゃないから こんな日常が愛おしいのだ。

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