時代のニーズ。
およそ40年ほど前の柱時計を御紹介します。トランジスター式の乾電池駆動の柱時計です。それまで 柱時計といえばぜんまい式のボ~ンと鐘がなるタイプが主流でありました。この時計も 当然 鐘がなると思い込んでいたのですが 中を見てみると、鐘を鳴らす機能が どこにもありません。そんなはずは・・・と思いましたが よくよく考えてみると、時代を色濃く反映しているな~ということに気付かされたのです。
この時計が生まれた時代は 高度経済成長の真っ只中、一般家庭にも家電が普及し 外国から色んな文化が流れ込み、個人の趣味も多様化してきた頃だと思います。家電にしても 持っている事がステータスではなく より便利により快適にというものが好まれるようになった時代です。技術面だけでなく デザイン面にも目が向けられ始めたように思います。
かつては 手巻きのぜんまい時計で だいたいの時刻がわかればよかった・・・どちらかといえば のんびり過ごした時代から、一分一秒を大切にする暮らしへの変化の時期だったのかもしれません。電池式は 文字通り ぜんまいを巻く必要が無く、時刻も“わりと”正確で 手間がかからない分 現代的と感じたのではないでしょうか。ただ、現代のなんちゃって柱時計とは違い 振り子の役割はとても重要です。振り子が時間を合わせているのです。(そこが時代を感じるいいところ!)
では、それまでの柱時計には無くてはならなかった ボ~ンと鳴る鐘の機能が何故はぶかれたのでしょう。それは 住宅事情の好みに合わせられたものなのではないでしょうか。
大型団地がどんどん建てられ 若い世帯の人たちは、その利便性から団地住いを選ぶことが多かったようです。住み始めて気付くのが 隣近所の騒音です。若い世帯が集まるゆえに 子供の夜鳴きや足音は お互い様と譲り合うこともできたかもしれませんが、そのほかの騒音は やっぱり隣近所に迷惑・・・と気を使う場面も多かったのではないでしょうか。一軒家で どの部屋に居ても時刻がわかるボンボン時計は そんな暮らしにフィットしたものではなかったのでしょう。それであれば 初めから鳴らす機能ははぶいて お値段に反映しよう!と生まれたのが この柱時計ではないのかな・・・と思うのです。だから、デザインは 若い世帯に流行のちょっとモダン。素敵なデザインです。
そんな事情を踏まえた時、現代の暮らしにも生かされる 時代のニーズにフィットした柱時計に出会えたんだな・・・と勝手に感慨深い気分に浸っているわけです。
















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