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「パスティーユ」を作りたかった訳

Photo_9 私が学生のころ、雑誌POPEYEが創刊されました。田舎育ちだった私に、とてつもない衝撃をあたえたその雑誌は、ファッション、スポーツ、音楽、映画、趣味、外国、料理etc・・・様々な情報をあたえてくれました。もし、POPEYEと出会っていなかったら、今の私はないと言えるくらい。それ以来 ファッションにのめり込み、音楽を楽しみ、収集にはげみ続けてきました。

Photo_10 創刊から少したち、ある札幌のカフェが紹介されたので、ない小遣いを握り締め、ステンカラーコートに身を包み、汽車に乗って、そのカフェへ出かけました。古い建物が持つ独特な味わいと、がたがたぐらつくアンティークなテーブルに、ぎしぎしいう古い椅子。酒瓶がたくさん並んだカウンターに立つ、素敵なお姉さん。流れてくる心地よいレゲエのリズム。座ってお茶を飲むお客さんもお洒落で、一人のひと時を楽しんでいる様子。その店の全体の空気感にすっかり魅せられて、帰りの汽車でもその余韻にひたってしあわせだったなー。

Photo_11 それからというもの、札幌に住み始めた私は、休みの日には、そのカフェに出かけ、暑い夏だというのに、ちょっと辛いスープパスタをほおばり、昼間から 缶ビールを楽しむという 最高の時間の過ごし方を手に入れたのです。(トイレにkimcoが置いてあったのも洒落てるなと感心した。)   

Photo_12 それから、しばらくその店にいけない時期があって、久々に行ってみようと心弾ませ地下鉄を乗り継ぎ、軽い足取りで その店に向かったのですが・・・ないんです。あの、素敵なたたずまいの建物が・・・いくらきょろきょろ見渡しても、ないんです・・・。その場所に変わって 建っていたものは、近代的なビル・・・。跡形もなく、面影もなく、きれいさっぱり・・・。本当なら、今頃 いつものパスタを食べながら、缶ビールを飲んでほろ酔いのいい気分になっているころでした。もろくも、そんな些細な日常の楽しみが、消え去ってしまったのです。重い足取りで、通いなれた道を歩きながら、もう あのわくわくとしたひと時を味わう事ができないのかと思うと、本当に悲しかった。あの席に座り、あの窓枠から眺めた景色、南の島でのんびり夕日を眺めながら過ごすひと時を想像しながら飲んだ 缶ビールの爽快さ、ぎしぎしいうアンティークの椅子や、物静かな素敵なお姉さん・・・。そして、あの店でしか味わえなかった大切な時間・・・。「返せー!」と叫んでいました。心の中で。

それ以来、勤め人だった私は、自分にこんなにも、素敵な時間を与えてくれた、あのカフェのように 単においしい食べ物や、品物を提供するだけじゃなく、心に何かを残してくれるような店を作ってみたいという思いが生まれたんです。  それから約20年、その間 かみさんと出会い、この人となら きっとできるかもしれないと思い続け、色々ありましたが、念願叶い、昨年 「パスティーユ」をオープンできたのです。

パスティーユとはフランス語でドロップス(飴玉)の意味で、懐かしくて、カラフルで、おいしくて、いったい何味が出てくるのか楽しみなおやつでした。まさに、そんな店になりたいと、思いつけた名前です。

最新の雑貨でも 懐かしさのあるものを選び、自分が子供のころに使っていたような生活雑貨を探し出し、眺めるものではなく 実際の生活の中で 使っていただけるものとして、提案したい。そして、やっぱりインテリアの基本は、古い家具です。古い家具は、同じものにはまず出会えません。それだけの個性を持ち、自分だけの表現が可能です。また、独特の雰囲気と味わいがあるからこそ、長く愛され続け、そこにあることが、当たり前のようになっていく。そんな物達に囲まれて生活できるって、やっぱり素敵だって思うんです。生き方の表現だって思うんです。懐かしさっていつも心にあって、いつまでも、変わらないものだと思います。飽きられて捨てられてしまうものと出会わないようにしていく ”自分作り”それが、大切だって思うんです。 

店内は、実際の生活空間を演出しています。そんな中で イメージを膨らませて ゆったりと過ごしていただければ・・・きっと何か、素敵なものをお持ち帰りいただけるはずです。きっとここでしか、味わえない時間を過ごしていただけるはずです。何を、見つけていただけるかは、人それぞれで、計り知れませんが、「ここで過ごす時間が大好き」と思っていただければ、最高に幸せです。私達も、これからどんなものに出会えるのか、わくわくしていますし、ご来店くださる方にも そのわくわくをお伝えできればと思っています。    

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コメント

こんにちは。すっかりご無沙汰をしてしまいスミマセン、RSPPのyuuです。
ついにブログ始められたんですね!楽しみが増えました~♪
(偶然にたどり着いた自分に只今ビックリ中)

お店の温かい雰囲気を重ね合わせると「なるほど・・・」っと納得するお話です。
私は子供の頃にお小遣いを持ってワクワクしながら自転車に乗って
お買い物に行っていた時を思い出せるので「ここで過ごさせて頂く時間が大好き」です。
しかもここ数ヶ月色々な出来事続きで伺えなかったので禁断症状も出ています(笑)

色々とアドバイスをして頂きたい事もあるのと、ウンチク会議もしたいし(笑)
そろそろ遊びに伺いたいです~!(ご主人もいらっしゃるのは水曜と日曜でしたか?)
また長居したらゴメンナサイ。・・・先に謝っておきます(苦笑)

投稿: yuu | 2007年12月18日 (火) 14時08分

ブログを始められたと聞いてさっそく覗いてみました、ミウラです。パスティーユには色々な思いが詰まっているんですね。そんな素敵なお店に行く度にいつもたくさんおしゃべりしてしまってすいません。とても居心地が良くて。我が家もそんな居心地が良い場所と思ってもらえる様に少しずつお部屋が形になるといいなぁと思います。もちろん人間的にもですけどね♪ではまたお店に遊びに行かせてもらいます!

投稿: ミウラ | 2007年12月24日 (月) 00時44分

こんにちは。vanagon714さんのブログから辿ってきました。
こういうどこか懐かしいモノに囲まれると、ほっとしますね。あの黒電話なんか、もうどこを探してもないでしょう。まだ現役で活躍している電話機ですか?
 あの電話機の手前の玉のれん、幼い頃、母方の祖母の家にあって、背が低くて届かなかった私は、ジャンプして玉をつかみ、その衝撃で、玉がみごとにバラバラバラ~っと外れまして。。。。えらい大目玉をくらった覚えがあります。
 今、デザイン的には非常に洗練されたモノが一杯出回ってますけど、どこか幾何学的というか、心にしみるものが無いように思います。私も接客業なのですが、お客さんが求めておられるものが、時代と共に変わってくるのをひしひしと感じながらも、あまり現代的なモノよりも、木製品などにこだわりながら毎日暮らしています。 素敵なお店、毎日が充実されていることと思います。お互いがんばりましょうね。

投稿: earlybird | 2008年3月26日 (水) 11時29分

コメントありがとうございます。
古いものには思い出がありますよね。私も怒られた時の記憶とかは結構覚えてます。でもそれが不思議と悪い思い出ではないんです。家宝の壷を割っちゃったっていうことのある人にはショックな思い出かもしれませんけど・・・。みなさんなにかしらありますよね。こんな経験。
でもそこが古いもののいいところです。ほんわかした使い心地がある。そんな物たちと暮らしていきたいです。
白馬も春ですよね。のんびりゆったり行ってみたいです。
                                  パスティーユ

投稿: earlybirdさんへ | 2008年3月27日 (木) 23時49分

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