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あひるのように。

一ヶ月ほど前、いつもお世話になっているお客様から 家具製作のご依頼がありました。イメージの図面をご用意くださったので、どんなご依頼かは 一目でわかりました。

「チェストだ!」 正直 心の中で小躍りしました。作りたいとは思っていても 踏み出せなかったものだったからです。以前、小引き出しを作り その出来栄えは納得できるものになりました。「大きな家具も作れそうだぞ!」そう思っていた中で、念願が 叶うかもしれないチャンスを与えてくださったのです。

早速、具体的なイメージを図面にし、バランスを考え 材料を選び、見積もりをお出ししました。お客様からはご承諾をいただき 「さぁ、頑張るぞ!」と気合を入れたのですが・・・材料を切り出すために 一つ一つの寸法を最初に割り出す段階で、大きくつまづいてしまいました。目に見える 外側の部分は計算で出すことは容易なのですが、表面には見えない内側の細工や 木と木の組み方を頭の中で考えれば考えるほど どうすればいいのか 全く持ってわからなくなってしまったのです。何時間、図面を前に にらめっこしても 「ここをこうすれば・・・ここを組ませるには・・・」もう頭の中はぐちゃぐちゃ状態で、夢に出てきたことも1度や2度ではありません。お客様は 期待を胸に楽しみにしてくださっているはず・・・何とかそのご期待に 精一杯応えたい・・・他のことは一切考えず、とにかく作業に集中する日が続きました。

チェストや引き出しの場合、とにかくパーツが多く 目に見えないところの緻密さは 想像をはるかに超えるものでした。こうして、出来上がって思うのは まるで“湖面を優雅にすべる白鳥のようだ”ということです。目に見えるところは優雅に見えていても、目に見えない水面下では バタバタと脚を動かして進んでいるんだな・・・。みたいな。でも、白鳥のように優雅な感覚は自分には無いので ぴったりなのは“あひる”だなと思いなおしたところです。

早速、出来上がったチェストを見に来てくださり、お求めくださいました。こんな告白はお客様にとって、決して気持ちのいいものではないと思います。でも、だからこそ「収めてしまって はい終わり。」ではなく 後々までしっかりと自分の家具に責任を持ち、初めて作ったチェストとして 決して頭から離れることが無いのです。そして、いつも心の中で、気にかけ続ける存在が1つ増えたのです。今回も たくさんの経験と勉強をさせていただきました。心から御礼申し上げます。末永くお付き合いいただけますように 願ってやみません。  本当に 本当にありがとうございました。

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この場をお借りして、お知らせがあります。

8月13日(金)はお盆休みを頂きます。皆様もいいお盆休みでありますように・・・。

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