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いくつになっても。

男の人は ロマンチストが多いと聞くことがあります。実は こう見えて 私もそうかもしれないと思うことがあるのです。何を持って ロマンチストなのかと言われれば、あまりにも壮大なお話なので ここで語ることは出来ませんが、心に引っかかってくるもの・・・映画や音楽、絵画や写真・・・好きだな~と思えるものは 何かしらロマンチックなものだったりするのです。

前にも 触れた事がありますが クリント・イーストウッドとメリル・ストリープの「マディソン郡の橋」は、運命の人と出会いながらも 一緒になる道を選ばずに 悲しい別れをしてしまう男女を描いた作品。でも、それだけに終わらず 年老いて最後の時を迎えるにあたり 過去の自分を手紙に綴り、家族がありながら してしまった過ちを告白します。それを読んだ子供達は その母の事を最初は非難するのですが 読み進めるうちに 次第に 母親がその男の人に惹かれ続けていた理由を知ることとなっていきます。最後には そんな母の気持ちを理解し、遺言として 火葬にした灰を思い出の 橋の上から撒くことで 運命の人のそばへいく事を許してもらうのです・・・・・・こんな 恋、いや愛の形もあるんだな・・・と心に深く刻まれ、大好きな映画となりました。

そして、心に残るもう一本の映画・・・向田 邦子原作の「あ・うん」であります。ある一般的な夫婦と 戦場で共に生き抜いた戦友「門倉」との 友情と隠れた恋心を描いた作品であります。戦時中、アルマイト工場を経営し 軍需景気で 羽振りのいい門倉は、地方に勤めていた戦友の水田が東京に 戻るのをきっかけに 住む家の準備やら すぐに暮らしが始められるように 米や味噌まで用意して、何かと 面倒を見始めます。しばらくぶりにあう戦友との再会が 嬉しくて・・・ということもありましたが、実は 水田の奥さんのことを想っての事でありました。普通の会社勤めの水田は 羽振りのいい門倉の行為を 過分なことをしてもらって悪いな・・・と思いつつも 共に苦労してきた中で 培われた友情によるものと 思っていました。門倉も 水田の奥さんへの気持ちをぐっと押し殺し、この友情を大切にする気持ちに 何の偽りもありませんでした。ところが、門倉が一度連れて行った料亭の芸者遊びに 水田ははまってしまい 身分に合わない遊びに興じてしまいます。奥さんに苦労をかけさせてまで 身の丈に合わない遊びをするものじゃない!と門倉はたしなめるのですが 抑えていた奥さんへの気持ちを知られることになってしまいます。まずい!と感じた門倉は 水田のほうから絶交させるように 苦渋の決断をして、わざと 今までの施しは めぐんでやったものだとうそぶくのです。戦友として お互い大切に思いあう同士と思っていた水田のプライドは 打ち砕かれ 門倉との絶交を決め、芸者遊びからもきっぱり足を洗いました。本意からではなかったにせよ 奥さんへの想いが募り始めていたことで これで良かったんだと・・・門倉はあえて孤独を選んだのです。後に、あることがきっかけで 水田の心も溶け 再び友情を取り戻すことになるのですが・・・このお話のいいところは 門倉の密かな恋心であります。人は 恋をすることで わくわくドキドキ高揚するものですが 友情を壊してまで 得ようとする恋ではありません。見ているだけで 心が和んだり、相手の喜ぶ顔が見れるだけでも 嬉しくなったりするという恋心なのです。門倉役の高倉健さんの 男の切なさが感じられる後姿が印象に残る いい映画です。

実生活では こんなロマンチックなことはありません。だから 映画に音楽に絵画に写真に、ロマンチックを求めます。頭の中で 浸ることは 誰にでも出来るのですから。

だから 部屋を飾るとき、そんな場面を演出してもいいと思っています。夜は 明かりを落としてナイトスタンドを灯します。いい音楽を聴きながら 軽く一杯・・・その後は さっぱりしたアイスクリームが酔い覚ましです。

いくつになっても ロマンチックに浸りたい気分を忘れることは出来ないと 私は思っています。

Photo

ミルクガラスのスタンドに綺麗な紫の傘・・・とても素敵なのですが それもそのはず。よく見ると 「kanebo cosmetics」の刻印が・・・さすがです。(1973年製)

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