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古いもの。

お店には いろんな方がいらっしゃいます。で、お話しするきっかけとして 「古いものはお好きですか?」と話しかけます。すると、多くの割合で 「好きです。」と返してくださいます。聞くほうもざっくりした聞き方だから 致し方ないのですが話が弾み 深いところで理解しえる場合は ほとんどと言っていいほどありません。

同じようなものが好きなもの同士のはずなのに・・・

「古いものが好き」っていうのも ほんとに幅広く、人の趣味も様々だからなのですが 「どんなところが・・・何故?・・・」っていう所までの話には 不思議とならないのです。

それは 例えば 雑誌の影響って大きいと思うのです。インテリア雑誌のほとんどは 古いものを取り入れた素敵な部屋作りの提案がされています。好みはあっても 憧れのインテリアというところで 目を引く部分は共通しているからかもしれません。憧れはあるけど 実際にやってしまえるほどの決心は付かない・・・そういう方は 古いものは好きとは言いつつも 踏み込むには勇気の要ることと捉えられる場合があるような気がしてなりません。

折に触れ 古いものが好きな理由を書き綴ってきました。雰囲気がいい。レトロ感がたまらない。ノスタルジーに浸れる。自分の暮らしに合う。ちょっとした珍しさに惹かれる・・・などなど 理由をつけては いいものですよ。と言ってきましたが 本当の理由を一言で表すなら・・・「生き方だから」というところに行き着きます。

大袈裟ね~と言われそうですが 私自身は大真面目。生き方にまで通じるものを感じているわけです。

古いものとの出会いは 不意にやってきます。それもたいていの場合、汚れにまみれこたこたな状態です。壊れていてどうしようもない場合は 諦めますが 綺麗にしてあげれば まだまだ使えそうなものは 例え人が見て ごみとしか感じないものであっても 何とかしてあげたいと思います。ひどい状態でも そのものが持つ魅力に触れられれば、それはいとおしいものになるのです。

例えば 昔流行した 足踏み式のゴミ箱があります。サビが浮き、所々へこみ、色あせていても ペダルを踏んでふたが上がれば まだまだ現役で働いてくれます。ゴミ箱ですから 当然、長年の苦労を物語る汚れっぷりです。ごみを捨てる箱をいつも綺麗にしてあげようという悠長な人は少ないと思われ・・・見事なくらいのゴミ箱っぷり。隅々に汚れがたまり 洗うのも一苦労です。でも、洗いながら 私は思います。「出会えてよかったじゃないか 危うく消えてなくなってしまうところだったね。まだまだ頑張ってもらうよ。綺麗になれば 見違えるからね・・・。」そう思いながら 隅々まで磨いてあげるのです。サビやへこみはむしろ 頑張ってきた証。そのものが持っている良さなのです。勿論、見た目は大事です。こんなにモダンでなければ 見過ごすところでした。

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先に書きましたが 物に対する思いだけなら生き方に結びつくような事はありません。私は 人に対しても同じだと思っています。何かを成し遂げようと 一心不乱に頑張っている人には 惜しみなくたくさんの言葉で 勇気づけ励ましたいし、褒め称えたい・・・出来るさと勇気づけたい・・・心からそう思います。そういう出会いは なかなかありませんが 自分が奮い立つのは そういう時だったりします。ものに対しても同じです。そう思えるものが 心を奮い立たせるのです。

「よくぞ今まで頑張ってきたね。この先は 違う価値観の人に愛され その思いに応え続けるんだよ。」自分が手に入れるものは勿論、お店で扱うものにも 同じ感情で接するのです。

手にする人がどう使ってあげられるのか・・・たくさんの人がこんなものとしか思わないものに きちんとした役割を与えてあげられる人には きっとたくさんの何かを返してくれるのが 古いものなんだと思うのです。

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