« 「似合う」ということ。 | トップページ | 見つめる先に・・・。 »

聖なる夜の鐘の音。

うちのお店には 非売品の古い振り子式の柱時計が2台あります。一つは アメリカ製の大型のタイプ、そしてもう一つは そのアメリカ製の時計を参考に作られた日本製のタイプです。どちらも かなりの年代物で 扱いが繊細なため 販売するには抵抗があり、そして とても珍しいものなので手元に置いておきたいのです。

その2台の柱時計・・・ちょうどの時間になると とても大きな音でボ~ンボ~ンとなるものですから お客さんだけでなく 私自身もびっくりするときがあります。店頭で販売用の時計があるときなどは、同時になったりすると それはそれは賑やかなものです。

昔、時計は高価なものでした。文字通り 家の柱にかけることから 柱時計と呼ばれ 居間の柱に取り付けられる印象をお持ちの方が 多いと思います。昔の家であれば 障子や襖だったので 隣の部屋にいても 居間にかけた柱時計の音が聞こえて 何時かを知ることができたはずです。だから 今のように 各部屋に時計をかける必要も無かったかと・・・思われます。それに 高価なものを何台も所有できる人は 家の構造も含め限られた人しかいなかったと思われます。

でも、今の時代のように 時計がさほど高価ではなくなり、時間に追われる生活をやむなくされると各部屋に当たり前に時計があるように 昔の人にだって そういうニーズを持った人が少なからずいたはずです。

大人の身長ほどの高さのある大型の時計はホールのようなお部屋向き。応接室の家具の上には 家具調の振り子式の置時計。ゼンマイ式の置時計は長くは持たないので目覚ましや卓上に・・・。大きな音が響くタイプやデザインに重きを置いたタイプなどなど様々・・・・。電池式の時計が生まれる前のお話ですが・・・。

そういう時代の時計屋さんに行ければ きっともっといろんなタイプの時計があったに違いないと想像できます。それができない今、いろんなタイプの時計と 一つ一つ出会いを重ねることで そう感じるようになったのです。

そしてまた うちでは扱ったことのない 古い振り子の時計に出会いました。普通の柱時計に比べれば ひとまわり小さくコンパクトです。デザインもシンプルながら丸く加工された本体は 職人技が生きています。戦後まもなく 名古屋の時計屋さんが職人さんに依頼して作られたもののようで、大手のメーカーのものではありません。だから とても個性を感じます。そして、何より 音がとても繊細なのです。棒状の鐘が一本・・・それもゆっくりと鳴り響きます。

もしも、私が昔の人で 書斎にかける時計を時計店に探しに行ったとしたら・・・迷わずこの時計を選んだことでしょう。小さな部屋でも圧迫感がなく、デザインもかっこいい・・・。それに 静かに繊細に鳴り響く鐘の音は 決して集中を妨げるものではないからです。むしろ その響きは 心地よくあるのです。

さしずめ 外国であれば 教会の鐘の音が遠くから微かに聞こえてくるような・・・そんな感じなのです。

子供が寝静まったクリスマスの静かな夜・・・この鐘の音は 穏やかな時間を運んでくれそうな・・・そんな気がするのです。

Photo

|

« 「似合う」ということ。 | トップページ | 見つめる先に・・・。 »

懐かしいもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「似合う」ということ。 | トップページ | 見つめる先に・・・。 »