合理的。
古いものに触れるとき、昔のものは 本当に合理的にできていると感心します。
北海道の冬に欠かせないもの それは暖房です。夏に暖房の話をするのはどうかと思いますが・・・昔は 今のようにセントラルヒーティングもなければ エアコンもありませんでした。暖をとるのは 薪や石炭のストーブでした。部屋のほぼ中央に置かれ 暖かさを部屋全体に行き渡らせてくれました。冬のあいだは必要不可欠・・・まさに暮らしの中心にあるものでした。直接火の見える暖房でしたから 床に直に置くわけにはいきません。床を熱から守る役割りは ストーブ台が担っていました。
素材は 熱に強いタイルが用いられ 大小さまざまなストーブ台が作られていました。昔は そういうものも全て手作りでしたし、たくさんの職人さんもいたはずです。需要があるが故に たくさんの会社が有り そのそれぞれで工夫を凝らしたストーブ台が作られました。丸や四角のタイル、葉っぱや魚のタイル・・・いろんなタイルを組み合わせてデザインされています。当時の職人さんのセンスで作られたもの・・・それがタイル張りのストーブ台なのです。
想像してみてください・・・冬はストーブの周りに家族が集まります。料理を煮込んだり、お茶を入れたり・・・団欒の場所でした。そんな家族が集う場所に 少しでも可愛らしく装飾を施したい・・・そんな職人さんの思いがこもっていたはずなのです。
冬の間 大活躍のストーブも夏が来れば無用の長物と化します。しかも 部屋の中心にあるものだから ある意味 厄介な存在となったりします。それでも、家族は集まります。ストーブをテーブル替わりにしたりして・・・そんな時も タイル張りのストーブ台があったから 可愛らしさもお部屋に馴染んで、インテリアの一部となり得たのです。
こうして考えてみると 一年中インテリアの一部として、重要な役割を果たしていたに違いないと思います。夏を前にしたこの時期ですが うちのお店にはそんなことは関係ありません。ちゃんと工夫して 使ってあげられれば 思いもしない素敵な景色を見せてくれると思うのです。
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