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・・・のようなもの。

私は 若い時に古いものが大好きになり、そこから 古いものを訪ね歩く暮らしが始まりました。ミシンの脚に アンティークの天板を乗せてテーブルにするところから それは始まったのです。

テーブルは用意できましたが そのテーブルに合う椅子は 出会うまでにしばらく時間がかかりました。本当なら すぐに欲しい所でしたが 気に入った椅子は 見つけにくいものでした。家具屋を回ったりしましたが なかなか良いものに出会えません。しかもいい椅子は 数万円したので手が出せず・・・そうこうしているうちに あるアンティークショップで 海外のカフェチェアと出会えました。決して安くはありませんでしたが 背が高いこともあり 少し座面が高く 座り心地が良かったのです。アンティークでしたから 塗装もいい具合に剥げて、ミシンテーブルにぴったり!と悦に入ったものでした。

そういう出会いを繰り返してきたので、うちの今の食卓は 当時の椅子を含め、全てばらばらです。家庭を持つから 新しいテーブルセットを・・・なんて考えは はなからありませんでした。家族それぞれが 気に入った椅子に座る。それが普通だと思うのです。

思えば、人も同じです。結婚相手も それぞれが違う考えや、価値観を持って生きてきた人同士で、生まれてくる子供も また違う人格で 価値観も違うのです。その違いを持っているけれど 一緒に暮らすことが出来る人の集まり・・・それが家族だと思うのです。互いに 認め合い、尊重し合えることが大切だと思うのです。

時に、長年付き添ってきた夫婦は その円熟味を増した存在だと思えます。他人同士が長い年月をかけて 初めて到達できる場所に行けるのです。我慢や忍耐、そういうものを乗り越えて たどり着けるのです。でも、ただ我慢し、耐え続けていても到達できるものではないと思います。それぞれが 違う考えを持ちながら、それを互いに認め合い、尊重しあえる結果だと思うのです。

古いものに対する考え方も 同じかもしれないと感じます。なかなか出会えなくて、個性的。傷も目立つが それが味となり、何かを感じさせてくれる。長年付き添った夫婦のような存在なのです。この2脚の椅子を眺めていて そう感じました。

Photo

大好きな椅子。秋田木工のウィンザーチェアです。座り心地がとても良く、本当にいい椅子です。ずっと作られ続けている定番ですが 新品は良いお値段がします。家族分揃えるとなると いい出費になります。でも、いい椅子なので 一生ものとして考えれば 問題はないでしょう。うちのは 中古品なので 新品の半額以下のお値段ですが むしろ味わいがあっていい雰囲気です。

椅子を選ぶ時、いい椅子であることは 最低条件だと思います。長く使えることが大切です。そして、人もものも 一緒に暮らす相手としては 自分にとって 君じゃなきゃ!と思える存在を選ぶはずです。だから その上で 個人の意見を尊重し、「私はナチュラルな色が好き。じゃ俺は チークにしようかな。」って選んでみる。食卓だって 揃ってなくてもいいのです。お茶を飲むのも 違うカップで。同じカップだけど 「私はスパイス。あなたはウッドランド。」と柄を変えて。 でも、感じることに 共通点があることが大切なのです。

いいものは 長年付き添ってきた夫婦のようなもの。そんな風に私は感じるのです。

*捕捉させていただきます。

一年ほど前に秋田木工のホームページには この椅子 出ていたのですが 現在はどうなっているのかな・・・と思い確認したところ、業績不振により 大手家具販売会社の傘下となってしまっていました。知りませんでした・・・。もともとの工場で生産はされていて秋田木工の名前は継続しているようですが、純粋な老舗家具メーカーが 時代に取り残され その姿を変えてしまっていたのですね。ショックでした。カタログを見てみても この椅子は載っていません。廃盤となったのでしょうか・・・。なんだか寂しいです。いいものが評価されない時代に対する 寂しさなのです。

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