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知ることが大事。

私は古いものが大好き。ずっとそうお話してきました。

きっかけは やはり、懐かしさと雰囲気、そして 珍しくて普通じゃないってことだった気がしています。古いおもちゃを飾りながら暮らしたいという思いから、古い家具や食器を知るという 自然な流れだったような気がしています。

古いものが好きといって、いろんな物に手を出していたのは 若いころの事でありました。その時分は インターネットなど無く、調べ物は 伝え聞きだったり 本を探して というのが常でした。だから、好きなものの背景を知る事は とても大変でしたが 調べる事で 漠然といいなと思っていたものが より深く好きになり 欠かせないものとなっていきました。

今の時代、昔と比べると ちょちょっと検索すれば 専門知識を持った人が 知りたい事を詳しく教えてくれるし、資料もたくさん見られて 素晴らしいツールのおかげで 知識も増えた事を実感しています。お店をしていて お勧めする以上、そのものについて 知っているという事が大事だからです。

でも、実際 お客様に 聞かれるかっていうと 案外そうでもありません。一握りの方に 詳しく説明する程度で、すでに知識を持っておられるか 背景には興味が無いのか、もしくは ご自分で調べられるから説明は必要ないのか・・・そういう話が楽しいのに する機会にあまり遭遇しないのです。

いずれにしても、特に古いものには それが生み出された 背景というものが必ずあります。それを知る事で もっともっと古いものが好きになりますし、どうやって使い どう組み合わせて、自分の暮らしに生かしていくのか・・・具体的な意味を持つ事につながっていくので 興味のあるものの背景を知る事が大事なのだと思うのです。

残念ながら 今現在、高級品やメーカー品を除くと ずっと使い続けられるようなものが少ないと感じるのは その背景に魅力を感じないからです。

アンティークやヴィンテージ品を愛する人たちは そのものが生まれた時代や 環境や デザインや思想に感銘を受けて そばに置く暮らしを選んでいらっしゃいます。それは 趣味を超え、生き方へとつながっていくのです。知るという事は この上ない楽しみで 喜びで、とても大事な事だと思うのです。

Photo

戦後の人々の暮らしに 大きな影響を与えたのが ミッドセンチュリーといわれる時代のデザイン家具です。今の 時代にも通じる シンプルでモダンなデザインは 日本の暮らしにも大きな影響を与えました。洋館に暮らすお金持ちの家にある家具だけでなく、一般庶民向けの家具にも取り入れられたのです。勿論、有名デザイナーのものではないにしろ 憧れの洋風な暮らしに 近づく事が出来たわけです。

でも、これらのおばあちゃん家にあったような家具は 古臭い日本の家に置かれ、およそ 憧れの洋風の暮らしとは あまりにもちぐはぐ。その印象が ほとんどの人の記憶の中に ただ古臭いだけのもの。と感じれてしまうのは当たり前のことと思います。でも、本当なら おばちゃんが ミッドセンチュリー時代のデザイン家具のある暮らしを知っていたら・・・今の時代でも そのデザイナーたちが何を求めてデザインしたのかを知る事ができたら・・・きっと ただの古道具には 感じないと思うのです。

今現在、生み出される大量生産の家具にも 何かしらの背景があり、それを選んで暮らしに取り入れる 思いがあったとしたら・・・本当なら何も言う事は無いのだけれど・・・。これから生み出されるものにも 時代を映すような背景を 私は求めたいと思うのです。

日本の家具メーカーの草分け的な存在「カリモク」。ミッドセンチュリーの流れを汲む 素敵な家具メーカーです。写真の右端に写っている オレンジ色のマガジンラック 実は 古いカリモクです。オールドカリモクと呼ばれる時代のものです。鳥をかたどったデザインは 自然のものをモチーフにデザインされた 北欧の雰囲気を感じさせます。可愛くもあり、モダンです。そして、テーブルにあるティーセットは 「名古屋硬質磁器」と銘があります。昭和17年の新聞に包まれておりました。戦火を潜り抜け なぜか今、うちのお店に・・・。その時代を検索してみました。すごい時代です。想像もつきません。知ることが大事と心から思うのです。

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