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裏路地の景色。

わたしも勤め人だった頃、年に何度か東京出張がありました。忙しいさなかにも 少しでも時間が出来たら行きたい場所がありました。いそいそと向かったその先は 原宿や青山。青山には 古いおもちゃを扱う有名店がありましたし、原宿へは 北海道では感じられない 街の空気を感じたくて 何度と無く足を運んだのです。

とはいっても、きらびやかな表通りではなく 昔から原宿で暮らしてきたであろう古い木造家屋がひしめき合う 裏路地でした。最初に 文化屋雑貨店を覗き、そこからひたすら路地裏を歩きます。昔から 普通に暮らしてきたであろう長屋の間に 一風変わった小さなお店が 所々に現れます。こんな場所で 商売になるのか・・・そんな風に思ったものですが 店主の個性が感じられる佇まいに やりたいことを一生懸命やっている意気を感じて、とても羨ましく思いましたし そんな人たちがこの雰囲気を作り出していることの素晴らしさに 酔いしれたのです。その雰囲気を感じたくて・・・度々 通っていたのです。

そんな個性溢れるお店を覗く目的もありましたが それはあくまでも副産物。実は 本当に感じたかったのは 昔からそこで暮らしてきた人たちの町を思う気持ちでした。確かに 家は古く、人通りも少なくないのに 簾のかかった窓や玄関を開け放ち ぬるくゆるい風を少しでも家に取り込もうとしています。こんな都会のど真ん中で 開けっ放しの玄関にふわりとゆれる暖簾・・・確かに そこに暮らしがあるのです。そして 決まってそんな玄関先には 雨風にさらされ 今にも朽ち果てそうな木製の花台に置かれた鉢花が・・・きちんと手入れされ 鮮やかにそして 元気に花を咲かせています。そういう景色に 日々の暮らしというものを感じられたのです。

立派な新しい建物などは むしろあの景色には似合いません。日々をしっかり生きている古い家の住人の方たちが 作り出すあの裏路地の景色。そんな雰囲気が 魅力ある町並みを作っていたのだと感じます。

私が 通っていた頃の表参道の同潤会アパートも今は無くなり、東京へ行く機会も無くなってしまいましたが あの裏路地の景色は 今も 私の暮らしの先にある 景色なのです。

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