尊敬。
お店で扱う商品のほとんどは 1970年代~80年代にかけてのもので 日本国内で作られ、国内で消費され 当時の好景気を支えたものです。だから、誰もが 持っていたり、見たことのあるものばかりだったりします。しかし、今現在も 使い続けていたり、好きで集めていて ずっと持ち続けていることは ほとんどないでしょう。古いものというだけで 処分されることが当たり前と思われているものだからです。
経済成長を遂げていた時代、日本は 外国から輸入されるものや その製造元である国の人々の暮らしぶりを手本とし、日本人の暮らしに合うように商品の開発をしていました。輸入されたものを そのまま真似て作るのではなく 先駆者を尊敬し、尊重したうえで 日本らしいものづくりをしていたのです。輸入品と見比べて なんとなく似ているが それは似て非なるものと感じることができるのは やはり、日本独特の感性によるデザインの秀逸さにあると思うのです。

先に書いたように 日本のメーカーは 輸入品をそのまま真似ることはありませんでした。有名デザイナーに外注する場合もあったかもしれませんが そのほとんどは メーカーに所属している 名もないデザイナーたちが生み出したものであったはずです。しかも、一人ではなく 複数人がデザインを考え、新商品に反映されたのではないかと思います。それぞれの得意分野をデザインで表現し、その時流に合うものを製品化してきた結果、一つの分野に偏ることなく 様々なものが生まれたのです。

今、そういう苦労を経て作られたものを ちゃんと見てあげることが 私の楽しみになっています。当時の 名もなきデザイナーたちが 外国製品をオマージュし、ものづくりの点で まったく変わってしまったこの時代に たくさんの素敵なものを残してくれている。その思いを尊敬の念を持ちながら 受け取れる人でありたいと思っているのです。
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