それまで 夏といえば虫取りが唯一の楽しみだった頃が過ぎ、学生時代に触れられたたくさんの音楽が 今も夏が好きな理由を感じさせてくれました。高中正義、大滝詠一、山下達郎、南佳孝・・・その時期、南国の海を連想させる楽曲がたくさんリリースされ、それに呼応するように 雑誌でも南国の島のバカンスが特集されたり、身の回りの雑貨に至るまで 南国の海へ誘う 様々なものがあふれていたのです。それが 何やら都会的で 大人っぽく、寝苦しい夜には 窓を開け放して、ラジカセから流れる 音楽に身をゆだねたものでした。
あの夏の経験が無かったら、今の自分は居ないとまで思えます。脳内で 砂浜に寝そべり、波の音を聞きながら 満天の星空を眺めた妄想は 今も消えることはありません。その音楽があれば いつでもあの頃の自分に戻ることが出来るのです。
その夏をさらに鮮明にさせてくれるものと出会いました。あれは、少し背伸びをして 素敵なカフェに行った時のこと・・・真っ白な内装は 時流をとらえ、南国のイメージでした。壁一面がヤシの木の壁紙で、鉢植えのフェニックスが 照明を受け、床に尖った影を落としていました。その足元には アヒルのルームランプが灯っていて、こんな部屋で暮らせたら・・・と思いました。レモンスカッシュの甘酸っぱさと テーブルに写る炭酸の泡の影が まるで大滝詠一の歌の世界にいるように感じさせてくれたのです。
音楽は勿論、当時のこういうものを見ていると あの忘れられない夏がいつでも脳裏に浮かぶのです。

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