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2025年5月

junk style

40年ほど前、インテリアに興味を持ち始めて間もない頃。何を参考にするべきかを求めて よく書店に通いました。その時出会ったのが「junk style」という洋書でした。日本のインテリア雑誌は女性向けであり どれも似通ったものばかりで、今の流行りのインテリアを紹介することに躍起になっていて、参考にすることはありませんでしたが この洋書はまるで求めていた感覚をそのまま代弁してくれているような本でした。古いものと一緒に暮らそうと思っていた矢先にこの本に出会ったことで 後にも先にも 変わることのない自分好みのインテリアの指針を見つけてしまったのです。

その本をずっと眺めていて 気付くことがありました。それは どんなものでも必ず古くなる。でも、古くなる過程で魅力を増していくものには ちゃんと初めからその素質がある。それを見極めて取り入れることで、この本のようなインテリアの中で暮らせるのだろうということです。家も家具も そこで暮らす人でさえ歳を重ねれば古くなっていきます。物理的にも 時代感覚的にも同様に古くなっていきます。でも、その洋書は 40年ほどの時を経てなお、古さを感じません。そういうインテリアの概念は 変わらないってことなのです。一方で、40年前のインテリア雑誌などは 見るに堪えない感覚です。一周回って、素敵だと感じる部分もあるかもしれないけれど ただただ古臭く感じるだけです。それでは参考になるはずありません。だって、暮らしは長い間続いていくのですから。暮らしているうちは 好きなインテリアに囲まれて、その暮らしに似合う自分でいられることが 生きると言いうことなのですから。

思えば 「junk style」というのはガラクタをインテリアに取り入れるという 見てくれや形ではありません。古くなっていくものを理解し、共に成熟していくという生き方なのだと気付くのです。

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気が付けば。

この歳になると 生活のリズムが決まってきて、朝起きるところから 寝るまでが同じことを繰り返して毎日が過ぎてゆきます。若いころなら 変化する暮らしにも抵抗はありませんでしたが、この毎日の繰り返しができていることに この上ない安心を覚えます。時々は 新しい事柄に感動したりして そういうのもいいなと思ったりするけれど、基本 変わらない毎日が送れることが 一番いいと思えるのです。

お店を始めた時から ずっと言い続けていますが 流行にとらわれて、暮らし方が変わることほど無駄なことはないと 今でもそう思います。好きなものは ずっと好き。そう思える自分は悪くないと思うのです。あの人 頑固。と言われようが一向にかまいません。そのほうが人としての魅力にあふれていると思うからです。単純に言えば 好みがころころ変わる人に 私は興味がわかないのです。人の魅力とは 誰かの受け売りで成り立つものではなく、その人の想いや言葉の中に 感じることができるものだと思うのです。そうは言っても 生き方は人それぞれ。私が個人的に思うだけのことであります。

私は ほんとに好きなものが変わりません。好きになったものはずっと好き。そこに新しい好きが増えていき、自分が豊かだと感じることに向かっていけるのです。ヴィンテージのミルクガラスの食器も相変わらず大好きです。今回少しまとめて入荷しましたので ご紹介いたします。

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私は収集が目的ではなく あくまでも普段から使うことが大事だと思っているので 飽きの来ない定番デザインが好きです。ミルクガラスと言えばファイヤーキングと言われがちですが パイレックスのシンプルだけどちょっと素敵な感じが好みです。

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ミルクガラスといえば このジェードカラーです。ずっと憧れています。手前のカップ&ソーサーは1950年代から60年代に作られた、レストラン用の食器です。ガラスがとても分厚く、重いのが特徴。レストランのような場所では丈夫さが大事とされていたからです。プレートは 憧れを身近にしてくれた 雑貨メーカーのレプリカ品。フッテッドマグは 炭酸が似合うマグです。ビールにも似合いそう。

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最後はアメリカらしいポップなデザインマグです。この素朴で おもちゃっぽさがたまらない魅力です。私も 毎朝のコーヒーをかれこれ30年近くミルクガラスのマグで飲んでいます。気が付けば そんなに長い間、朝の時間を楽しませてくれていたんだな・・・と感慨深く思うのです。

 

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