ジャンク

junk style

40年ほど前、インテリアに興味を持ち始めて間もない頃。何を参考にするべきかを求めて よく書店に通いました。その時出会ったのが「junk style」という洋書でした。日本のインテリア雑誌は女性向けであり どれも似通ったものばかりで、今の流行りのインテリアを紹介することに躍起になっていて、参考にすることはありませんでしたが この洋書はまるで求めていた感覚をそのまま代弁してくれているような本でした。古いものと一緒に暮らそうと思っていた矢先にこの本に出会ったことで 後にも先にも 変わることのない自分好みのインテリアの指針を見つけてしまったのです。

その本をずっと眺めていて 気付くことがありました。それは どんなものでも必ず古くなる。でも、古くなる過程で魅力を増していくものには ちゃんと初めからその素質がある。それを見極めて取り入れることで、この本のようなインテリアの中で暮らせるのだろうということです。家も家具も そこで暮らす人でさえ歳を重ねれば古くなっていきます。物理的にも 時代感覚的にも同様に古くなっていきます。でも、その洋書は 40年ほどの時を経てなお、古さを感じません。そういうインテリアの概念は 変わらないってことなのです。一方で、40年前のインテリア雑誌などは 見るに堪えない感覚です。一周回って、素敵だと感じる部分もあるかもしれないけれど ただただ古臭く感じるだけです。それでは参考になるはずありません。だって、暮らしは長い間続いていくのですから。暮らしているうちは 好きなインテリアに囲まれて、その暮らしに似合う自分でいられることが 生きると言いうことなのですから。

思えば 「junk style」というのはガラクタをインテリアに取り入れるという 見てくれや形ではありません。古くなっていくものを理解し、共に成熟していくという生き方なのだと気付くのです。

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玄関を素敵に。

自宅の玄関 素敵とは言えません。郵便受けがあり 傘立てがあり、それだけです。出入りする場所だからすっきりとというのは 言い訳だと感じています。玄関フードも 素敵にしないとな・・・と思案中です。

たいてい、床はタイル張りなので ジャンクな家具が似合いそうです。玄関に家具?いや、良さそうです。その代わり、生活臭いものはNG。ジャンクなもので 思い切り飾ります。でも、いくら外でも 掃除は大事。埃がたまっていては がっかりです。植物が みずみずしく生き生きとしていれば 言うことなしです。

自分の家ですから いつか思いっきりやろうと思います。

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ほおって置かれたものとの違い。

庭も緑が生い茂り、賑やかになってきました。バラの季節はもう少し、次々と咲き楽しませてくれるまで あと少しです。

でも、庭の手入れは大変です。自然相手ですから 思い通りにならないことのほうが多いですし、ほおって置いても花は咲くけれど 美しく咲かせるためには手をかけねばなりません。腰を犠牲にしてまで 頑張ることで本来の花の美しさを楽しむことが出来るのです。(雑草処理の際はどうぞ腰を大切に)

ある意味、うちで扱う古いものも同じことが言えます。いくら古さがいいと言えど 埃にまみれていては 私にはただのぼろにしか見えません。倉庫に仕舞い込まれ、埃にまみれたままでは 手入れのしていない雑草ぼうぼうの庭と同じだと思うのです。

物置やガレージに長年ほおって置かれたものでも くもの巣を払い、汚れを落としてあげるだけで いい味わいをもたらしてくれる存在になるかもしれません。ただのぼろか そうじゃないか。その違いは 手を掛けてあげれば それに応えてくれるかどうかにかかっていると思うのです。

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好きなものだけ。

お店には いろんな方がやってきます。しかしながら、うちは ある意味特殊な品揃えの雑貨店なので 普通の感覚の雑貨屋と思われてやってくる人には からっきし気に入ってもらえません。自分で その道を選んだので仕方が無いのですが 古いものの持つ良さを少しでもわかってもらい、そういうものたちと暮らす楽しさを知っていただけるよう 日々努力していくしかないと思っています。

ほとんどの人にとって 懐かしいものは あくまで過去のもの。これからを一緒に過ごすものとして捉えることは とても難しいことです。でも、形あるものの 存在の魅力を知ることはとても楽しいことだし、自分を言葉であらわさずとも表現できる暮らしの形は その人の生き方そのものだと伝えることは 決して間違いじゃないと私は確信しています。本当に難しいのは そこまでのお話を聞いてくださる方があまりにも限られていて、そのうち共感してもらえるとなると よほど気の合う人に限られてしまうということです。数奇な道を選んでしまいました。でも、いろんな人に合わせて色んなものが揃っているお店は 私には出来ません。

やっぱり、好きなものじゃないと扱えないのです。

しばらく更新も出来なかったので 今のお店を数枚の写真でご紹介しようと思います。

まずは大好きな柱時計から。文字盤の塗装が劣化してすべての数字が消えてしまっていました。動く確証もありませんでしたが ほっとけなくて買ってしまいました。整備して 動かしてみたところ元気に復活したので 安心しましたが 数字が無いのも困り者なので 文字盤を塗装することにしました。全部の数字を書くことは大変だったので この形になってしまいましたが なんか素朴でむしろ可愛くなってしまいました。小ぶりな本体で 棒鐘が1本・・・小さなお部屋向きと言った柱時計です。以外にも時刻も正確だし、もっと可愛い存在になりました。

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次に、ガラスケースの台にしているドロワーカウンターは新入荷の家具です。高さもよく、状態も申し分なく それに少しモダンな雰囲気。こういう組み合わせが好きなんだと思います。お部屋の仕切りにもなって なんかお店みたい。大事なものを飾りながら、ゲームソフトやDVD、細々したものがすっきり収納できてしまいます。

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そして、ジャンクなものも大好きです。お庭のアクセサリーとしてだけじゃなく、玄関だっていい雰囲気にしてくれます。植物との相性ぴったりですから。

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海も好きなので 海にまつわるものを集めて。熱帯魚のお皿も昔から大好きです。

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なんで?って思われるかもしれませんが 少し派手でサイケなワンピースも仕入れてみました。昔のように 金髪の巻紙ロングヘアーのイメージじゃなく、黒髪で 凛とした女性のイメージが湧いたので 飾ってみようと・・・

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で、そんな女性のキッチンは 可愛いものをいっぱい詰め込んで・・・思い切り カラフルだけど凛として暮らして欲しい。まっすぐ前を見た眼差しで。

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慣れ親しんでいないものには違和感を感じます。でも、そこに魅力が隠れているのも事実。独特のタッチで描かれたライオンのイラストも よくよく見ると可愛くて味があります。こういうものは 一度好きになるとずっと好きでいられるのです。そこが大事。後々何も感じなくなっては意味がありませんから。

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好きなものだけをご提案するお店。独りよがりかもしれないけど、これからの暮らしをいっしょに過ごしてくれるものを真剣に探している人にとって、きっと役に立つお店だと 自分では思っています。

 

 

 

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手間を掛けねば。

得体の知れない、見えない恐れが蔓延しています。確かに 怖くもありますが 道を歩けば お日様の陽気が暖かく、その気持ちよさに 春の到来が近いことを感じ、得体の知れない不安も 消え去っていきます。人ごみを避け 普通に暮らしていれば 何の心配も無いはずだけど、人の心は弱いもの。トイレットペパーやマスクが手に入らないとなると 不安ばかりが心を捉えていくのです。どこへ行っても売り切れなのですから 人が集まるリスクより、暮らしに必要なものがなくなることの不安のほうが大きいのでしょう。人の心は弱いもの・・・仕方ありません。

多くの人たちの気持ちは 一番の話題に集中しているので 暮らしに必要なもの以外を扱うお店は 全く売れないとテレビニュースになっていました。季節柄必要なものでさえも そうなのです。専門家は 経済の落ち込みは確実。色んなところに影響が出ることは必至。と声高に言います。それを言ってどうなるのかと思います。

特に うちのお店は 普通に暮らす人には必要の無いものばかりを扱う雑貨店です。嗜好品ばかりで、普通の人にはご理解いただけないものばかり・・・。そんな店ですから 毎日の不安はぬぐえません。静かに 終息する日を待つだけです。でも、そんな日々でも 何もしないではいられません。新しいものを用意して、備えておかないとならないと思っています。春を身近に感じられるように・・・そう考え ご用意したのがこちらのシェルフです。

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アイアンの棚をストックしていたので それに合わせて木枠を加工し、組み込みました。アイアンは 所々錆が浮いており、小さな鉢花の生き生きした姿を引き立ててくれます。春は花の季節。待ちに待った季節です。手頃な鉢花をお部屋にお招きし、みずみずしさを壁に飾れるように・・・。

このタイプのワイヤー棚がないと出来ないものなので 数には限りがあります。今回ご用意できそうなのが 3段シェルフが2台、2段シェルフが3台です。でも、たくさんあっても 正直困ります。木枠の加工に 手間がかかるからです。意外と大変なのです。だから しばらくは やりたくない作業なので ある意味、ちょうどよかった。素材自体見つかりにくいものでもありますから。

錆びた雰囲気を活かし、小さな花の特等席を作るには 手間を掛けねばなりません。特別じゃない 安価な花でも主役に変えてくれそうだからです。

 

明日は 月に一度のお休みをいただきます。

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お休みだから。

久々の雪でした。量は大したことありませんでしたが 駐車場が広いので雪除けは大変です。それでも 今年の雪の少なさはありがたかった。この冬は特別なんでしょうけれど 毎年こうならいいのに・・・と思えて仕方ありません。これから歳をどんどんとっていくのですから。

2月もスタートし 冬も終盤。まだまだほど遠いけど あとひと月もすれば春は目の前。そう考えただけで 心躍ります。

この時期、どうしても品物が入りにくいのですが 倉庫の奥に眠っていたこんなジャンクなブリキ缶を引っ張り出してきました。実際には まだまだだけど お花の季節がほど遠くないことを実感します。雪除けも 寒いのももう少し・・・日に日に近づいてゆく春に思いを馳せながら過ごそうと思います。

明日は 月に一度のお休みです。暖かくなるといいなぁ。
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楽しい悩み。

13周年イベントが終了し、オリジナルツールボックスの抽選を行いました。 厳正なる抽選の結果、当選者が決まりました。その発表は 後ほど・・・。

イベント期間中、新商品の投入もありましたが 家具が売れて 小物も随分減りました。次のご提案を・・・つぎつぎとやって行きたい所ですが そうそう面白いものや素敵なものは 見つかりません。でも、もがいてもがいて ちょっと素敵なものと出会いましたので ご紹介をさせていただきます。

お店の特徴である ポップで懐かしいものがどうしても目立ってしまいますが 実は ポップなものとジャンクなものの組み合わせは 昔からうちのテーマでもありました。ゆえに 錆びてぼろいものだって大好き。自然に出来た錆びや へこみやかすれは 唯一無二の存在。そういうものに魅力があると思っているのです。

ぼろ・・・といわれようが そんなものを大事に思う気持ちは 好きな絵画や音楽に共通する心情なのです。だから 部屋に絵を飾るのと同じ気持ち。その感覚は 言葉では言い尽くせないのです。

いい具合に 塗装がはがれて、錆びの浮いた 金属性のパーテーションが2台。背が高いので 存在感があり 飾り甲斐があります。自宅が 出窓なら窓辺に置きたい所ですが そのレイアウトはお店でも出来そうもありません。だから 古いレースを掛けて 間仕切りに・・・。窓のそばにおいて 雑貨のハンガーに・・・。どうやって使うかは 楽しい悩み。でも、アイアンという素材でありながら 曲線の柔らかなデザインが きっとお部屋に温もりを運んできてくれることでしょう。

あなたなら どうしますか?

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それでは 『13周年記念オリジナルツールボックス抽選会』の当選者の発表を行います。実名で のせるわけには行かないので、イニシャルにて・・・

江別市野幌にお住まいの M.Sさま

江別市上江別にお住まいの T.Aさま

江別市元町にお住まいの M.Sさま

札幌市厚別区にお住まいの T.Sさま

岩見沢市にお住まいの R.Tさま 

以上 5名様には 当選はがきを送らせていただきます。そのはがきをご持参の上 ご来店ください。景品をご用意してお待ちしております。

ちなみに、明日は お休みをいただきます。久々のお休みなので 少し のんびりと・・・と言うわけにも行きません。また 素敵なものがご紹介でますように・・・いい出会いを求めて・・・。

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アクセサリー。

アクセサリーといえば 指輪やイヤリング、ネックレスにピアス・・・可愛らしく 自分を引き立ててくれる大事な存在だと思います。いいものを身につける人は ステイタスを表し、年代に合ったものをチョイスして あれこれ付け替えるってのもお洒落で素敵なことだと思います。自分に似合うものを探す時間も きっと楽しい時間なんでしょうね。女性の そういう好奇心はとても大切です。男には 時計を凝るくらいしかありませんから、アクセサリー選びは女性の特権といえそうです。

でも、アクセサリー選びは女性だけの特権といえない部分もあります。身につけるものだけが アクセサリーとはいえないからです。

アクセサリーが好みを表し、自己表現の一つと考えると 暮らしの場面は そのほとんどがアクセサリーといってもいいかもしれません。人が暮らす中で、自分の好みに合ったものを選ぶことも アクセサリー選びと同じくらい 楽しく、目を向けるべきことのように思うのです。

少し理屈っぽくなりますが つける人を輝かせるもの・・・それがアクセサリーです。あくまでも 付ける人が主役です。暮らしも同じで、暮らす人そのものが主役ですから、生き生きと居られるように作り上げていくことが 選ぶ楽しさ、そこで暮らす喜びになっていくのです。

メインテーブルじゃなく 外の景色が見渡せる窓際の席は その人をリラックスさせてくれます。そんな場面をはたから見ているお相手も いい景色だな・・・と感じることでしょう。テーブルや椅子は そこで過ごす人を輝かせる あくまでもアクセサリーなのです。

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せっせと机に向かって作業しています。手仕事だったり、読書だったり・・・。雰囲気のいい、机は勿論お部屋のアクセサリー。そして、机の上の照明や小道具は 机のアクセサリー。似合うものを選んで置きたいものです。

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お庭の主役は お花です。それを引き立ててくれるのも ガーデンアクセサリーです。お庭の景色を壊さないアクセサリー選びは お手入れのやる気も引き出してくれるものです。

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食べることは最も重要なこと。ただおなかを満たすだけでなく、テーブルの景色にも ちょっとだけ気を配ってあげることで 主役であるお料理が ぐっと引き立てられます。食器は あくまでもお料理のアクセサリー。いつもの料理が 特別に感じられそうです。

アクセサリー選びは とても楽しいもの。自分に似合う暮らしのアクセサリーと出会う 豊かな時間を楽しんで欲しいと思います。

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裏路地の景色。

わたしも勤め人だった頃、年に何度か東京出張がありました。忙しいさなかにも 少しでも時間が出来たら行きたい場所がありました。いそいそと向かったその先は 原宿や青山。青山には 古いおもちゃを扱う有名店がありましたし、原宿へは 北海道では感じられない 街の空気を感じたくて 何度と無く足を運んだのです。

とはいっても、きらびやかな表通りではなく 昔から原宿で暮らしてきたであろう古い木造家屋がひしめき合う 裏路地でした。最初に 文化屋雑貨店を覗き、そこからひたすら路地裏を歩きます。昔から 普通に暮らしてきたであろう長屋の間に 一風変わった小さなお店が 所々に現れます。こんな場所で 商売になるのか・・・そんな風に思ったものですが 店主の個性が感じられる佇まいに やりたいことを一生懸命やっている意気を感じて、とても羨ましく思いましたし そんな人たちがこの雰囲気を作り出していることの素晴らしさに 酔いしれたのです。その雰囲気を感じたくて・・・度々 通っていたのです。

そんな個性溢れるお店を覗く目的もありましたが それはあくまでも副産物。実は 本当に感じたかったのは 昔からそこで暮らしてきた人たちの町を思う気持ちでした。確かに 家は古く、人通りも少なくないのに 簾のかかった窓や玄関を開け放ち ぬるくゆるい風を少しでも家に取り込もうとしています。こんな都会のど真ん中で 開けっ放しの玄関にふわりとゆれる暖簾・・・確かに そこに暮らしがあるのです。そして 決まってそんな玄関先には 雨風にさらされ 今にも朽ち果てそうな木製の花台に置かれた鉢花が・・・きちんと手入れされ 鮮やかにそして 元気に花を咲かせています。そういう景色に 日々の暮らしというものを感じられたのです。

立派な新しい建物などは むしろあの景色には似合いません。日々をしっかり生きている古い家の住人の方たちが 作り出すあの裏路地の景色。そんな雰囲気が 魅力ある町並みを作っていたのだと感じます。

私が 通っていた頃の表参道の同潤会アパートも今は無くなり、東京へ行く機会も無くなってしまいましたが あの裏路地の景色は 今も 私の暮らしの先にある 景色なのです。

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部屋と植物。

ついに雪の季節がやってきました。

ふわふわとそして、しんしんとふり 外もすっかり雪景色です。庭の花たちの枝にも雪が積もり とても綺麗な景色となっています。遅咲きの花がまだ咲いているけれど こうなると 「また 来年ね。春まで お休み。」という気分になります。

それでも 花や植物は お部屋にもあり、気持ちを和ませてくれるものです。球根や観葉植物などは 高価な鉢物と違い 飾る環境を素朴にすると より引き立ちます。ちゃんとしたステージを用意してあげれば 珍しくもなんともない植物でも その存在をしっかり主張してくれるのです。そうしてあげることで 思い入れも出てきます。冬のあいだもお部屋でしっかり育ってくれて 住む人の気持ちを和ませてくれるのです。

素朴な植物とジャンクな飾り棚・・・こんなにいい相性のものは ないと思うのです。

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